昭和44年以来39回に亘り、大鵬さんによって全国の都道府県に配備された、献血運搬車「大鵬号」。献血者と患者さんをつなぐ、大切な役割を果たすべく、寄贈された70台の総走行距離は約682万km、地球170周に相当します。最後となった70台目の「大鵬号」は、「40年間暮らしてきた、大嶽部屋がある江東区の人たちに恩返しがしたい」との大鵬さんの強いご希望により、東京都赤十字血液センターに配備されました。
「大鵬号」は今までに、どれほど多くの命のリレーを担ってきたことでしょう。

  「大鵬号」の寄贈のため、大鵬さんはほぼ毎年日赤本社に自ら立ち寄られました。そのたびに、職員やボランティアがその姿を一目見ようと、集まったものです。3年前、大鵬さんが最後の「大鵬号」寄贈のため日赤に来社された時、そこに居た私を含む日赤職員・ボランティア約200人は、長年の感謝の気持ちを込めて、「いのちのリズム」という歌を捧げました。車椅子に坐して、歌声に囲まれた時の大鵬さんの目の輝きを今、懐かしく思い出します。

  「若手を育てなければならない」「努力出来る人間に育てる」と、いつも教育について熱心に語っておられた大鵬さん。今、若い人たちを中心に献血の輪が広がりつつあります。大鵬さんから長年に亘って頂いた、血液事業に対する深いご理解とご協力に感謝し、今後も多くの人々と手を携えながら、事業のさらなる発展のために力を尽くすことをお誓いし、心からご冥福をお祈り申し上げます。


日本赤十字社 社長 近衞忠W




日本赤十字社より感謝状 授与
1969年より日本赤十字社に献血運搬車「大鵬号」を寄贈し続け、2009年に70台目の贈呈を区切りにこの活動を終えました。日本赤十字社から感謝状を受取ると「相撲を引退したとき以上に感無量の気持ちになった。」と、目を潤ませていました。





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